総村スコアブック

総村悠司(Sohmura Hisashi)の楽曲紹介、小説掲載をしています。また、作曲家・佐藤英敏さんの曲紹介も行っております。ご意見ご感想などはsohmura@gmail.comまで。

総村と佐藤英敏さん

おつかれさまです、総村悠司です。
今日は『総村と佐藤英敏さん』についてです。

 

過去エントリで『佐藤英敏さん作曲リスト』『佐藤英敏さん曲紹介』を既に書きましたが、ナニモノが語っているものなのか不明瞭だと、曲紹介の説得力(熱量?)の伝わり具合が減衰してしまそうな感覚を抱いたため、差し障りの無い範囲で書いてみようか、と思った次第です。

 

あれは、1998年春のことでした。
知人の薦めで読んでいた小説『ロスト・ユニバース』が映像化されるということで、テレビ観賞をしていたときのことでした。
OP曲で使用されていた『~infinity~∞』の聴き始めて終えるまで、強力に心身を揺さぶられる思いがしたのでした。

 

宇宙空間は広大であるがゆえに、個々の存在は大変に微小かつ孤独です。
それを表現するかのようなAメロの次には、
「それでも進む、それでも挑むんだ」という奮い立ち、体を捩るようなBメロの1~2小節。
気持ちの整理をつけ、加速開始を感じさせる3~8小節。
そして、十分な加速を受けた後の力強い飛躍・躍動のサビ
小刻みなメロディーは緊張感の取れた自信にあふれた活き活きとした動きを感じさせられ、サビ終わりに向かっては勇壮に高音へと駆け上る…。

 

当時はまだ、インターネットも一般的でなく(自分は使っていましたが、情報提供側の質・量といった面で)、
次に自分がとったアクションは「次回の番組録画予約」を行う、でした。(しかもHDDレコーダなどない時代ですから、VHSでしたね……)
行動の理由はというと……「作曲した方のお名前を知りたい!」ためでした。
歌自体に惹かれたことは間違いないですが、「曲名」でもなく「歌手」でもなく(こちらは声からして林原さんは自明でしたが…)「編曲家(アレンジャー)でもないポイントに意識が向かったことは、その後に何度も「なんでだろう」と考えましたが、理由はよく分かりませんでした。
録画は無事成功。一時停止機能を使用して、ちょうどサビの最高潮のところでしっかりと確認できたお名前「作曲:佐藤英敏」。
これが忘れもしない自分と佐藤さんとの出会いでした。

 

実は、時系列的にはこれ以前に、かの『残酷な天使のテーゼ』をはじめ『Give a reason』『Breeze』『don't be discouraged』といった有名どころの曲もよく聴いておりどれも「良い歌だなぁ」と思ってはいたのですが、一歩踏み込んだのは上述の通りであり、
お名前を知ってから、遡って気に入っていた歌を隅から隅まで調べてみたら「あの歌もこの歌も、みんな佐藤英敏さんだったの!?」となったのでした。
ある意味、この予期せぬ驚きが、決定打となったのではないかなと自己分析したりしています。

 

そして、先日。ためにためて『two thumbs up!』を拝聴することにしましたが……

 

妙に緊張しました。

 

スレイヤーズ30thアニバーサリーソング」として、
3枚組の『MEGUMIXXX』の「トップバッター」そして「33曲中唯一の新曲」として、
往年のファンから当然寄せられるであろう多大な期待感、そのプレッシャーを受けて立つ布陣。聴いている此岸が手に汗握っている状況でしたから、彼岸などは推しても知ること能わずです。しかし、初回、聴き終えた後の感情は想像以上に高揚し、あのときの再来かのように晴れ晴れしいものでした。


気づけば、あのときから二十数年の月日が流れていました。
自分自身や立場、社会情勢や環境など様々な変化も生じました。良かったことも、悲しかったことも。
MEGUMI氏の詞とともに、変わらずそれでいて醸成された佐藤さんのメロディーに、
「これまで」と「これから」の自分の行程への肯定を頂いたようで、目頭が熱くなりました。

 

 忙しい大人こそ、時間を作ってでも、音楽を聴かないと

 

そんな風に思わずにはいられない2020年の春でした。

 

以上、今後ともよろしくお願いします。